そういえば一年前・・・

小泉が参拝をもくろんでいるとのことで、靖国神社での参拝反対闘争に駆けつけてから、もう一年になる。散らかった部屋を整理していると、ブログに書こうと思って東京で書いていた、下書きがでてきた。そのまま忘れて投稿していなかった。記念に投稿しておこう。
*****
靖国には届かず、しかし・・・・」
 2006年8月15日午前五時半、まだ夜もあけきっていない薄明かりの千鳥ヶ淵へ、つぎつぎとタクシーが到着した。8月11日から連続で取り組まれてきた反靖国行動(平和の灯を!靖国の闇へ!)へと台湾から参加した、チワス・アリ氏を代表とする台湾原住民約30名が靖国神社へと直接抗議行動を行うため、そこに集ったのである。20名弱の日本側の支援者を交え、一団は墓園沿いの狭い小道を靖国神社へとすすむ。途中、あわててやってきた警官に道を阻まれたが、「還我祖霊!」のかけ声とともに、チワス・アリ氏を囲むようにしてスクラムを組んだ集団は、なんとしても直接抗議をさせまいとする警官の壁を、文字通りはねとばしながらすすむ。
 ついに阻まれ、座り込みが開始されたのは、靖国通りをはさんで靖国通りの真向かい、大鳥居と国旗掲揚柱をみあげる、少し広くなった石畳のうえであった。あたりには、もみ合いのなかでへし折られた草木からする、ツンと鼻をさす緑のにおいがたちこめていたことに気づいた。その場で次々とひろげられた横断幕には、侵略され、虐殺されたうえに、大日本帝国の兵士として動員され、「加害者」として命を落としていった父祖をもつ彼らの、靖国への、日本への怒りが記されている。日本軍人が、台湾原住民の首を、日本刀で切り落とす瞬間の写真があしらわれた横断幕のもと、敢然と座り込みは続く。
 抗議は続けられた。原住民たちの歌が、朝の空気に響く(アルバム「出草の歌」の十曲目)。小泉が首相官邸を出た、もうすぐ到着では、さまざまな情報が現場を行き交う。七時前後から、現場では抗議行動を続行しつつも、日本側参加者と原住民参加者との間で、その後の方針を巡って議論がおこなわれていた。長い議論を経て、この日この時間の行動は、この座り込みをもって一区切りとすることとなった。私たちは、国旗掲揚柱にはためく半旗をあとにその場を離れ、次のデモの集合場所へと向かった。上空には、小泉を取材するためであろう、何台ものヘリが飛び交っていた。しかし、ここに長い準備期間と議論を経た、一つの国際的反靖国行動の結節点があらわれたことはヘリコプターからは映せない。
 この日、25万人が靖国神社を訪れたと報道はいう。しかし、同時に地を這う人々の怒りもまた組織されてきている。支援と当該という関係を超え、私たちがともに靖国を撃つ試みが引き続き模索されなくてはならない。帝国の「夢」を私たちの明日が終わらせるその日まで、闘いの持続を!
****
今年はバイトが代われないから京都の集会にいく。東京にいけないのが残念だなー。
成瀬

補1)東京の企画
美しい国」の「美しい死者」はいらない --国家による「慰霊・追悼」に反対する8.15集会とデモ

【集会】
講師:彦坂諦(作家)、東琢磨(音楽評論)
日時:8月15日(水)18時開場
場所:千駄ヶ谷区民会館(JR「原宿」駅8分)
*資料代500円

【デモ】
日時:8月15日(水)14時集合
場所:西神田公園(JR「水道橋」駅/地下鉄「神保町」駅)
主催:「美しい国」の「美しい死者」はいらない8.15集会実行委員会よびかけ:アジア連帯講座/国連・憲法問題研究会昭和天皇記念館廃館準備委員会/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国解体企画/連帯社/労働運動活動者評議会
連絡先:090-3438-0263

◆安倍政権下での参戦国家化は、かつての軍国主義日本によるアジア太平洋地域への侵略・植民地支配の過去を肯定し、歴史事実を改ざん、歪曲することともに進められています。アメリカ議会での決議をめぐってクローズアップされた、いわゆる「従軍慰安婦」の問題をめぐって、日本軍による強制連行を否定する安倍は、謝るべき相手である当の被害女性らの訴えには一顧だにしないにもかかわらず、無関係なブッシュ米大統領に向かっては、欺瞞的に「謝罪」の形だけを示して見せました。アメリカの顔色をうかがいながら進められる、こうした歴史の改ざん、歪曲は、靖国神社をめぐっても同様に展開されています。
◆この間、元宮内庁長官や元侍従の日記の存在が報じられ、昭和天皇裕仁A級戦犯靖国神社への合祀に「不快感」を抱いていたとのキャンペーンが改めて張られています。そこでは、裕仁は「平和主義者」だったということになっています。しかし、こうしたキャンペーンは、靖国神社天皇の神社であったという歴然たる事実を完全に覆い隠しているのです。
 安倍政権は、戦後の天皇制国家日本がウラの顔として抱き続けてきた神権天皇制の内実を、公然とオモテの顔として復権、浮上させようとしています。安倍が靖国神社へ「真榊(まさかき)」を奉納していたことも明らかになりました。
◆一方で、毎年8月15日には全国戦没者追悼式が行われます。天皇、皇后が出席する「最重要行事」としてのこの式典は、国家のために殉じることを国家として顕彰、称揚し、結果的に後に続けと民衆に対して命じるイデオロギー装置であり、この点では、靖国神社と共通した舞台装置といえます。安倍が靖国を参拝しようがしまいが、国家が民衆の死に意味を与える、そうした政治がこの8月15日を中心に繰り返されることに違いはありません。
◆現在進行形で進む戦後象徴天皇制の再編強化と日本国家の参戦国家化に、いかに対抗していくのか、その方策を、今回の8.15行動に取り組む中で、ともに考えていきたいと思います。ぜひ多くの方の参加を訴えます。