2007年 成瀬


明けました。暦の上での出来事とはいえ、なにか身の締まる思いです。何年か前までは感じたことのない感情ですが、状況の厳しさがそうさせているのかもしれません。一年間でなんやかんやとみてくださってありがとうございます。本年もよろしくお願いします(2007.1.1:カウンター21427)。

映画は一度見に行くと、はずみがつくもので、先日は六ヶ所村ラプソディーを見てきた。もう自分でぶらりと下北半島を回っていたのが四年前かと思うと懐かしい気持にもなったが、現地の状況は刻一刻と変化しているようだ。関西方面の方は、十三駅近くの第七芸術劇場で5日までやっているので、よければ、ぜひ。
・本ドキュメンタリーにおける中心人物である女性は、樺太から引揚げた人が六ヶ所へ入植した家庭にうまれた。1950年の農林省出版の年鑑によると、樺太から引揚げた開拓農民の六割が、戦後再入植を果たしているという。そうして国家の総力戦体制の尖兵をつとめた人を再び、戦後日本は内地における辺境へと配備していったことが強くうかがわれる。登場する不動産業者の方も開拓二世だと名乗っていた。戦後の再出発、高度経済成長、原子力政策、中央と地方の格差の問題、軍事基地の問題など多くの矛盾が集約的にあらわれている場で、孤塁を守ることはどれほど厳しいことだろうか。
・自分は、原子力発電の問題性についても、あまり詳しくはないので、さらに勉強を続けたいと思った。科学的知識は重要だ。それにしても東大の教授・・・・・。科学者の程度の低さを証明していると思う。愚かもの、と皆で指差さなくてはいけないに違いない。
イングランドセラフィールドの事例も現地に赴いて収録するなど、国際性を持たそうとした点は成功している。