わたしたちは、先の定例会議において以下の声明を決定しましたので、ここに公開します。多くの方にこの問題を知っていただければと思います。
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 07年10月、京都府警は、「『拡声機による暴騒音の規制に関する条例の一部を改正する条例(案)』の概要」を発表し、現行の拡声機による暴騒音の規制に関する条例について「1.換算測定方法の導入」、「2.拡声機使用停止命令規定の新設」、「3.複数の者による拡声機の同時使用に対する移動命令規定の新設」、以上3点の改悪を行うことを表明した。
 2月府議会において拡声機条例の改悪案が上程される。憲法で保証された表現の自由を犯すものとして私たちはこの改悪案に反対し、撤回を求める。
 「反戦ビラ弾圧」などに対して公安警察が恣意的に政治活動をとりしまる現在の弾圧体制下に置いて、この改悪案はさらなる政治・表現活動への国家権力の介入を許すものであり、到底容認出来ないものである。
 この改悪案については重大な問題がある。現行条例においては、2人以上の者が同時に近接した場所でそれぞれ拡声機を使用した結果暴騒音が発生しているときに、警察官が当該拡声機使用者に対して暴騒音の発生を防止するための必要な措置をとることを勧告できるとしているところ、改悪案においてはかかる勧告に従わず引き続き拡声機を使用して暴騒音を発生させている者に対して警察官はその場からの移動を命じることができ、従わない場合には6月以下の懲役又は20万円以下の罰金を科しうるとするものとしている。
 京都府警察本部は05年のブッシュ大統領来訪時における抗議街宣を例に挙げて本改悪点の必要性を強調しているが、この理由そのものが特定の政治・表現活動への弾圧を目論んでいるものに他ならない。新聞報道によれば、今回の改悪案は、今年6月に京都で開催されるG8サミットの外相会議への抗議行動を取り締まることも目的としているという。
 しかし、私たちにとって暴騒音とは、デモ隊のハンドマイクの音量をはるかに上回る警察車両からの過剰なアナウンスである。デモ隊の主張・メッセージが街の人々に届くことを妨害し、不当にもデモ隊を「危険」かつ「迷惑な存在」あるかのようにくり返される警察車両の大音量でのアナウンスこそ、「平穏保持」をせず表現の自由を破壊するものであり、早急に取り締まられるべきであろう。
正当な表現活動を不当に規制する可能性が極めて高いものであるこの改悪案に、私たちは強く抗議し反対するものである。

2008年2月2日 反戦と生活のための表現解放行動