<尼崎脱線事故>その2 成瀬

民営化問題

大阪支社の運営方針の一番が「稼ぐ」であったと鬼の首をとったようにメディアが報道しているが、「稼げ」といったのは誰だったのか。国鉄の抱えた債務いまだにほとんど減っていない。映画「国労冬物語 人らしく生きよう」が無性に見たくなる。恐ろしいのは、これだけ民営化以降のJRの体質が問題化されるなかでなお、郵政民営化の話が進行させられていることだ。郵便じゃ人は死なないという人がいたら、郵政労働者たちがおかれている状況を想像してほしい。郵政公社が2004年2月に「連続深夜勤」*1を導入して以降、同年11月までに23名の方が過労死・過労自殺しているという。
死ぬなら死ね、ただし人に迷惑をかけるな、ということなのだろうか(最近の自殺する青少年の遺書には、その原因を告発するものより「誰を批判するつもりもありません」ということが書かれているものが圧倒的に多いそうだ。悲しくも「的確な」現状の反映!)。激務から体調を崩したり、アルコール中毒になる人も沢山いるだろう。社会とは、なぜ存在しているのか。
http://homepage3.nifty.com/videopress/hito.html 「人らしく〜」ウェブサイト
http://www.h7.dion.ne.jp/~karousi/ 過労死を予防する郵政労働者人権ネット
http://www9.plala.or.jp/sien/top.htm 支援する会ウェブサイト

マスメディア問題

いまさらJRを「儲け主義」と名指して、当の車両に乗っていた社員の反省文(!)すら自らの「商品」として売っているメディアの問題(テレビは見ないので知らないが、、、)。国鉄民営化のときに、とことん労働者を叩いて怠けだなんだと大キャンペーンをはったのではなかったか。「私たちは何も知らされていなかった」みたいな顔を、少なくともこの件に関して、大手メディアがするのは下劣だと思う。
 先日、国鉄民営化以降、8年間に渡り草むしりをやらされていた人とたまたま出会い、喫茶店で話す機会があった。会社内で、東大をでたばかりの、自分の子どもくらいの年の上司にひたすら嫌みを言われることもきついが、メディアによるバッシングもこたえた、という。その人はJR体制にはとても批判的だったけれども、ダイヤをきっちり守って電車を走らせていたこと、安全な運転をしていたこと、すなわち自分のしてきた仕事すごく誇りをもっている、ということは淡々とした語り口からも伝わってきた。人間の尊厳を破壊する社会は長続きしない、いや放っておいても終わらない。長続きさせないためになにができるだろうか。

社員へのバッシング問題

JR三宮で乗務員の方が「人殺し」といわれて蹴られたという。http://derailment.blog9.fc2.com/blog-entry-892.html中国での反日デモに対して「行き過ぎ」を叩く論調は数あれど、自らの腐臭には気づかないのか。これもまた「無知の涙」なのか。たしかに醜いこの行為をも私たちは見据えよう。
僭越だが、大好きな美しい言葉を最後に引用して酒飲んで寝る。
「人の世に熱あれ、人間に光りあれ」

*1:「2月から実施された深夜勤は、11時間拘束(休憩時間1時間、10時間実動)の徹夜勤務であり、これを4週で7〜8日、3日あるいは4日連続で指定されます。昼間はあまり眠れず、3〜4日の間極度の睡眠不足で長時間の深夜勤務を強いられ、まさに、生体リズムが崩壊し、健康を蝕み、死を招くものといわざるを得ません」「郵政過労死予防訴訟を支援する会」ウェブサイトより