忘れない、許さない 京都TMでの言論弾圧 成瀬

教育基本法が改悪された。僕は、この問題に関心をもち、そしてバリバリとはとてもいえないけど、けっこう改悪に反対して頑張った。市教委にもなんどもいった。またいつか書きたいと思うが、様々な過程を経て今回の事件である。京都市教育委員会内閣府に、問題人物リストをあげて、内閣府はその人間を抽選で意図的に落選させたのである。これはまぎれもない言論弾圧だと思う。僕は絶対に忘れないし、許さない。これからも機会をみつけて書いていきたい。まずは、先日の参議院教育基本法特別委員会での議論を以下に紹介する。

参議院教育基本法特別委員会  2006.12.14   
京都市タウンミーティングにおける「不正抽選」問題に関する審議記録(参議院のHPより)

近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 昨日、タウンミーティング調査委員会の調査報告書をお昼にいただきまして、見ているわけでございます。このタウンミーティング、やらせだけではなくて、やらせないという松江のケース、積極的に発言をしたいというふうに内閣府まで出向いたのに発言を、してもらえなかった、この話もありましたし、さらに、この調査報告書を見ますと、実は伊吹大臣の地元であります京都で昨年の十一月に、会場に入りたいといって応募したにもかかわらず、細工をされて落とされてしまったと、ひどいケースがございます。これは、この調査報告書の中にも紹介をされて、非常に悪質なケースということで紹介されておりますが、今日の新聞にも一部出ております。
 この特定人物を工作をして落としたと、この概要について政府委員の方から御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(山本信一郎君) 近藤委員おっしゃいます作為的な抽せんがされていたことが明らかになりました。決して認められないものでございまして、極めて遺憾でございます。
 その調査結果につきましては、この報告書に記載しておりますように、共催者である市の教育委員会の担当者の方から、参加応募者に関しまして、タウンミーティングではない他のイベントにおいて、会場内でプラカードを掲げ、指名されなくても大声を発するなどし、会場が騒然として混乱したため、警察まで動員して退場させたという内容の連絡を受けたところでございます。
 そうしまして、その連絡を受けまして、タウンミーティング室の担当者が会場内の混乱を回避する観点から何らかの対応が必要と判断をして、上司とも協議をして、該当者の応募受付番号の末尾の数字二つを抽せんにおける三つの落選予定数字の中に入れることにより、といいますのは、全体の応募者の観点から三割オーバーするということで、三つ落とすということで、この三つの落選予定数字の中に入れることにより該当者を落選させた。その結果、該当番号の他の応募者についても落選させることになったということが明らかになったものでございまして、以上が概要でございます。
近藤正道君 もうあきれて私は言葉もないわけでございますが、ある特定の人物とその関係者と見られる者、ある特定の人物とその関係者と見られる者がどうも応募したようだと、この人を落とすために、その人だけ抽せんで落選させるとばれるんで、一定の人を巻き添えにして五十人、約五十人一緒に抽せんで落としたと。ひどい話でございます。
 このタウンミーティングは、親と子の言わば文化について語る。その親子で、子供は小中学生、それと親、セットで応募して初めて応募資格がある。そういう中で、この落選、意図的に落とされた五十名、これは大人二十五名、子供二十五名と、こういう趣旨でしょうか。
○政府参考人(山本信一郎君) 必ずしも親御さんと子供さんがそろってお見えの場合だけではございませんので、その比率につきましては正確にはちょっと今手持ちでは分かりません。
近藤正道君 親子一組で応募資格があるというんだから、当然そうなんではないですか。
 私、先ほど、そこである特定の人物とその関係ある者というふうにレッテルを張られた人から話を聞きました。非常に怒っておられます。一体、市の役割と、市が何をしたのか、市の教育委員会が何をしたのか、そして内閣府が何をしたのか。つまり、だれがこういう悪知恵を考え付いたのか。子供が大量に落とされているわけですよ。事実関係をどういうふうに把握されていますか。
○政府参考人(山本信一郎君) 調査委員会の報告の中で申し上げましたように、これは共催でございます。したがいまして、市の教育委員会の担当者から、先ほど申し上げました三つの主に項目から成ります情報が、連絡がございました。それを、その連絡を受けて我々の内閣府タウンミーティング室の担当者が、今、近藤議員が御指摘のような作為的な抽せんを行ったというのがその事実でございます。
近藤正道君 とにかく、この調査報告書によりますと、いずれにしてもこういう形で作為的な抽せんをしたということは決して認められないということを言っています。もし騒ぎなどがあれば、それは警察で対応すればいいわけで、こんなやり方で排除するというのは全くおかしいと、こう言っています。
 この人に対してはもちろんだけれども、一緒に何のあれもないのにそばづえで落とされた、あなた方の隠ぺい工作のために落とされたこの五十名に対して一体どういう責任を取るんですか。
副大臣林芳正君) お答えいたします。
 調査委員長として、また担当の副大臣として、このことが調査の過程で明らかになりつつあったときに、私も委員と同じように愕然とした気持ちでございました。
 ここまで、今委員がおっしゃって、我々の評価の部分を引いていただきましたけれども、この一報を受けたときに、なぜ、じゃ警備を強化すると、以前にもこういうことがタウンミーティングで行われたわけで、そのために警備を強化して、高い経費を使っても警備をやると、こういうこともやっているわけですから、その時点の判断がかなりこれはおかしかったんではないかというのが我々思ったことでございまして、委員が今御指摘があったように、これはもう看過できないことであると、こういうふうに思っております。
 抽せんの必要性につきましては、先ほど政府委員から答弁させましたとおり、定員よりオーバーしておりましたから、これは抽せんをある意味ではこのことがなくても行わなければならなかったと思っておりますが、結果として作為的に抽せんが行われたということで、来られなかった方が親子を含めておられたということについては私からも心からおわびをしたいと、こういうふうに思っております。
近藤正道君 私は、先ほど関係者にちょっと話を聞いたんですが、この落とされた方に対しては何の、今の現在、おわびの言葉も何もないと。これ、もう場合によってはそれは賠償ものですよ、これは。だから、きちっとこれは謝罪されるんでしょう、当然のことながら、内閣府として一人一人に対して。確認をさせていただきたいと思います。
副大臣林芳正君) お答えいたします。
 精査をいたしまして、この抽せんで漏れた方がどういう方であったかということが分かる範囲で、ベストを尽くして、お分かりになった方に対してはきちっと責任者からおわびをさせたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
近藤正道君 教育にかかわる者としてあるまじき私はことだというふうに思っています。
 その上で私は更にひどいというふうに思うのは、このタウンミーティング、まあこれは親と子のタウンミーティングで、親子で応募資格があって行くんですけれども、会場には小坂前文科大臣そして河合隼雄さんと来られたんですけれども、この会場、つまり小中学生と親がそこにみんな来ているんですけれども、ここの会場でも子供にどうもやらせがあったようです。事実はどうですか。
副大臣林芳正君) お答えいたします。
 このいわゆる発言内容の依頼をしたといういわゆるやらせのケースでございますが、これは別途のところに全例十五ケースについてこの調査報告書で書いておりますが、そこを見ていただければ分かるんでございますけれども、この今の京都の件はその中には入っていないと、こういうことでございます。
近藤正道君 この報告書の中にはこの京都のケースがある。これについては一般参加者の中にあらかじめ声を掛けられた、またこれは大人なのか子供なのかよく分からないんですが、発言者を把握していたということと、発言者席の把握もしていたと、発言内容の把握もしていたと、こういうところにすべて丸が付いているわけであります。だから、当然何らかの形で、大人か子供か分かりませんけれども、まあ半分は子供ですよ、小学校、中学生が大部分だというんだから。ここに前もって働き掛けがあって、そしてその子供が与えられた、定められた席に座って、そして発言をしたと。これを見ますと四、五人発言しているようでございます。
 これはやっぱり正確に把握していただきたいと思うんですが、とにかく、子供にこういうことをさせる、正に教育の衝に当たる文科省が子供にこんなことをさせる。今これだけ大きな問題になっていますんで、関係した子供たちがどんなに心傷付いているか、そのことを考えたことがあるんだろうか。だから、ここはやっぱり是非しっかりと私は真実を明らかにしていただきたいと思うんです。とにかく、五十名みんな落とされた。おかげで二百名の収容の会場は百四十四名しか入らなかった。まだ席があるにもかかわらず、大量に落としたもので、会場にあちこちに空白ができた。そこで子供たちを巻き込んでやらせが行われた。これは文科省として正に言語道断の私はありようではないかというふうに思うんですよ。しっかりと、何があったのか、どういう働き掛けがあったのか、だれがこんなことをやらせたのか、はっきりしていただきたいと思います。
○政府参考人(山本信一郎君) 今の林副大臣から申し上げましたのは、いわゆるこちらから内容を作って、それをお示しして、これでお願いしますといういわゆる発言内容を添えた依頼はなかったと。今、近藤委員おっしゃいましたように、この調査報告書の資料の中にも付けておりますが、今の京都市の親子タウンミーティングでは五人の方に発言を依頼をし、そのうち四人が発言をされたというのが資料として載っておるところでございまして、これは発言のそういった希望者を募ってお願いをしたという内容でございます。この中には中学生や高校生もおりますし、保護者の方もおられるという具合に承知をいたしております。
近藤正道君 他のタウンミーティングでは、言わば県庁あるいは県の教育委員会等が、県の職員だとかあるいは学校関係者、あるいは教育委員会関係者に働き掛けた。まあ、私は多分にやっぱりその立場、地位を利用しての働き掛けがあったんだろうというふうに思うんですが、子供に対して一体だれがどういうふうに働き掛けたんですか。これは正に非常に、子供に対する働き掛けというのは法的にも様々な規制があって、子供の将来のことを考えて、厳格にその辺のケースというのは規制されていると思うんですが、これはやっぱりしっかりと調べていただきたい。どういう立場の人が、どういうルートで、どんな子供に働き掛けたのか。教師が自分の教え子に、クラスの生徒に押し付けたのか、どうなのか。ここは大臣の地元のことなんだから、とりわけやっぱりはっきりさせていただきたい。ここは、ここははっきりさせてくださいよ。大臣、どうですか、これは。
国務大臣伊吹文明君) 今伺っていますと、私の地元だとかどうだとかということは別にしまして、発言をしてくれということを頼んだのであって、発言の内容を振り付けているわけじゃないんですよ……(発言する者あり)いやいや、正確に、正確に聞いてやってください。
 それは、だれも発言する人がいないんじゃそれは会議というのは成り立たないから、どうぞ進んで発言してくださいと言っているわけですから……(発言する者あり)いやいや、正確に聞いてやってくださいよ、言っていることを。(発言する者あり)
○委員長(中曽根弘文君) 御静粛に願います。御静粛に願います。
近藤正道君 大臣、そういう認定は、評価はおかしいですよ。あなたみたいな言い方をするんなら、それはサクラなんて、動員なんて出てこなくなるわけです、それは。
 いずれにしましても、これは子供が相手のことなんですよ。正に教育的な配慮が最も重視、尊重されなきゃならぬ、そういう領域でこういうことが起こったわけだから、ここは、それは大臣、あなたの名誉のためにもはっきりさせてくださいよ、それ。
国務大臣伊吹文明君) これは先生、お互いの名誉のために話さなくちゃいけませんが、例えば五十人、百人集まっているところで君の意見を言ってくださいよと言ったことが何かやらせになるんですか。(発言する者あり)いや、そうじゃないでしょう。質問を作って、これをしゃべりなさいということを言ったら大いに問題ですよ。だから、そこのところをちょっとはっきり説明しなさい。
副大臣林芳正君) 繰り返しの答弁になりますが、先ほど申し上げたように、発言内容を示してこれを依頼したといういわゆるやらせの質問は、この回ではなかったということを報告書で明記をしているところでございます。今、伊吹大臣がおっしゃられましたように、発言の依頼というものがあったということもそこに、今官房長から説明したように、あったことでございます。
○委員長(中曽根弘文君) 近藤君、時間です。
近藤正道君 いずれにいたしましても、大人だけではなくて、最も教育的な配慮が必要な子供たちに教育の衝に当たる人たちがこういう形で、私は広い意味でのやらせだと思うんですけれども、こういうふうにやらせた、これは本当に大きな問題。こういうことも、あるいはやらせた側の責任が全くこの報告書の中にも出ていないということも含めて、この報告書は極めてまだ不十分、こういう中での論議の終局なんてとても認められない、そのことを申し上げまして、質問を終わります。