「昭和の日」に抵抗の意思表示を!


日時○4月29日11:00〜12:30
場所○三条河川敷
主催○反戦と生活のための表現解放行動 http://d.hatena.ne.jp/posada/

■今年2007年から4月29日は「昭和の日」に改められた。この日は昭和天皇ヒロヒトの誕生日だということで、戦前は「天長節」、戦後は「天皇誕生日」、本人が死んだ後も「みどりの日」として「祝日」でありつづけてきた。いつまでこの日を「祝日」にしつづけるのか。私たちはこの日を祝日法で「国民こぞって祝い、感謝し、または記念する日」とすることに反対する。不安定就労層が激増している今、必要なのはまともに有給休暇が取れることだ。自分たちの休日は自分たちで決められるべきだ、ヒロヒトの誕生日なんかでなくて。

祝日法ではこの日を「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ためとされているが、そもそも天皇の即位から死亡を区分とする「元号」で時代を語ることに疑問がある。「昭和」はヒロヒトが自らの戦争責任をまったくはたさないで死亡するまでの期間でしかない。戦争責任は「言葉のアヤ」、「原爆投下はしかたがなかった」「沖縄の犠牲はやむをえなかった」「軍部にだまされた」と逃げ続けた期間が「昭和の時代」だった。私たちはヒロヒトの戦争責任は追及されるべきだと考える。それは、安倍政権とその取りまきたちが侵略戦争と植民地支配の歴史をねじまげ賛美しようとしている現在と地続きの問題である。安倍たちが「従軍慰安婦」という日本軍性奴隷制問題を政治介入してまで隠そうとしたり、沖縄戦での「集団自決」に日本軍が関係ないと教科書を書きかえさせたりとすることは、「天皇の軍隊」を賛美したいためだろうが、その心情が私たちには理解できない。

■戦後の「復興」は、日米安保体制による再軍備と復活した旧財閥系企業をはじめとした海外への経済侵略によって遂げられた。朝鮮戦争ベトナム戦争での「特需」は膨大な戦争犠牲者の血の上に成り立ったものである。また、戦後補償を名目にしたODA(政府開発援助)の拠出やADB(アジア開発銀行)への税金の投入も、現地の環境破壊や人権侵害などの被害の上に日本企業を潤しつづけてきた。沖縄に置かれた米軍基地はさらに強化再編が、軍事の対価として「振興策」を押しつけるようなやり方で押し進められている。「昭和の日」は、このような戦前戦後を貫いて日本社会が抱え込んできた問題をまるごとスルーしつつ「国の将来に思いをいたす」としている。

■戦前の「祝日」は国家神道の宗教行事を根拠に定められた。そしてそのほとんどが現在の「国民の祝日」にそのまま引き継がれている。宗教行事でない「海の日」も、戦前は「海の記念日」として東北・アイヌモシリを視察した明治天皇が船で無事帰ってきたことを記念した日として、「海の戦争」である太平洋戦争への動員のための戦意高揚の日であった。「子どもの日」も、端午の節句といって、男の子が皇軍兵士になって、戦争に行って殺す・死ぬために祝われた日だった。「国民の祝日」はほとんど全部が天皇賛美と軍事で占められているのだ。
過労死や過労自殺が多発し、まともに休日を取ることもままならない中で、国家に与えられた「祝日」で喜んでいるわけにはいかない。日給月給で働く不安定就労層は「祝日」など関係がない。アルバイトでも有給休暇が取れることは労働基準法で定められている。休みを取ることは労働者の権利なのだ。天皇を賛美し、侵略と植民地支配の歴史をごまかす「昭和の日」はいらない。
有給休暇を取ろう!