一緒に歩こう

米大統領、テロ特措法延長を要請 日米首脳会談 <asahi.com 2007年09月08日12時18分>
http://www.asahi.com/politics/update/0908/TKY200709080102.html?ref=rss

安倍首相は8日午前、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため訪れたシドニー市内で、ブッシュ米大統領と会談した。首相はインド洋での海上自衛隊による多国籍軍艦船への給油活動について「ぜひとも継続が必要であり、最大限努力する」と述べ、11月1日で期限が切れるテロ対策特別措置法の延長に全力を挙げる考えを表明。大統領は「日本の支援は国際社会のメンバーにとって不可欠だ」と支援の継続を要請した。来年の北海道洞爺湖サミットに向けて、地球温暖化問題への取り組みなどで協力を強化する方針も確認した。

 ブッシュ大統領は会談終了後、記者団に「安倍首相、日本政府と国民に対し、テロとの戦いへの貢献に感謝したい。この戦いにおける日本の役割は極めて重要で、必要な役割だ」と強調。海上自衛隊の給油活動について「米国だけでなく、ほかの国々にとっても欠かせない」と述べた。

 続いて安倍首相も「テロとの戦いで国際社会が一致して協力する重要性を確認した。海上自衛隊の活動の重要性についても一致した」と語った。 (一部抜粋)


イラク情勢に比べ、アフガンの情勢が報道されることは少なくなった。マスメディアにおける報道は政権中枢の動向や、NATOを中心とした軍隊により、いまなお空爆が行われ、一般市民の犠牲者も増大し続けているということが中心である。京都では、毎年「ピースウォーク京都」のメンバーにより「ペシャワール会」の代表である中村哲氏を招いて講演会を開催している。現場での実直な取り組みが毎年着実な積み重ねをおこなっていることを聞くと、身が引き締まる思いがする。そうした思いから私はペシャワール会に賛同している。いま、手元に「ペシャワール会報」NO.92(2007年6月27日発行)がある。そこにみえる現地の状況認識を参照したい。

06年度は、戦火の拡大で始まり、アフガン難民の強制帰還の動きで締めくくられた。反政府勢力の勢いは増しており、07年六月現在、増強を続ける欧米軍兵力はあ四万数千名、アフガン復興が始まった二〇〇二年の一万二千に比べ、約三倍以上である。主に、東部・南部で戦闘が激しく、クナール、パクティア、パクティカ、カンダハル、ザーブル、ヘラートなどの各県を併せると、毎日数十名から数百名が死亡している。

毎日、とあることから新聞では報道されない数多くの死者がいることがわかる。治安は悪化の一途をたどっているようであるが、このことがアフガニスタン内部という限定を超え、パキスタンにまで拡大しているのが二〇〇六年以降の情勢のようである。
その背景を中村氏は以下の三つの点に集約している。再び引用したい。

一、アフガン難民の強制帰還措置。パキスタン政府は、一〇年以上前から進めてきた「帰還計画」を一挙に実行、北西辺境州の全難民キャンプを閉鎖、難民を対象にした教育・医療機関も活動停止させようとしている。三〇〇万人といわれるアフガン難民の中でも、貧困層が大部分で、二〇〇〇年以降に発生した大干魃で逃れた「出稼ぎ難民」が多い。帰還しても生活が保障されない状態である。
二、それまでタブー視されてきた北西辺境州「部族自治区」に、米軍と協力してパキスタン国軍が兵を進め、自治区住民が反旗を翻したこと。〇六年秋、バジョワルでは、「テロリスト攻撃」と称する米国による誤爆でモスクが空爆され、八〇名の死者を出した。このような事件は珍しくなくなっている。
三、米軍に協力する政権に対して、パキスタンの一般庶民に反感が拡大していること。〇六年には政権の膝元であるパンジャーブ州で暴動があり、政府を震撼させた。

私達はこの会報が発行された約二週間後、イスラマバードのモスクに神学生たちが立てこもり、そこへ軍が強行突入し数十名の神学生が虐殺されたことを知っている。また、こうしたパキスタン政府の強行対応を後押しする一つの勢力として中国政府が存在していることも報道されている(『京都新聞』7月14日)。
このように困難な情勢の中、ペシャワール会は用水路を完成させてきた。私たちは自分自身の意志に基づきこのペシャワール会の活動を支援できるが、他方で税金制度を通じて強制的に自衛隊のインド洋派兵を支援させられている。
今の状態はアフガン派兵が始まった、2001年以降、政局的にもっともこの強制的支援を終わらせることが可能になりつつある状況である。また、人々の意志としても、産経新聞社とFNNの合同世論調査に回答を寄せた人のうち、テロ対策特措法延長に反対する人が54.6%も存在しているということが報じられている。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/80603/

デモに来たことのない人にもぜひ来てほしい。たしかに反戦生活の呼びかけているデモは変なデモだ。真面目な人にしてみたら違和感があるかもしれない。でも、私たちは声をあげることのできる空間をつくる。いいたくないシュプレヒコールはいわなくていい。いいたいことだけ言ってほしい。隊列に加わるのがどうしても無理そうなら、沿道を横歩きでもいい。暗い世界の中で、お互いの存在を確認するために、一緒に歩きたい。
戦争反対!自衛隊は即時撤退を!テロ対策特措法延長反対!別の「国際社会」を!一緒に歩こう!

成瀬