【抗議声明】 立川・反戦ビラ弾圧事件 最高裁不当判決を糾弾する

2008.04.12
【抗議声明】
立川・反戦ビラ弾圧事件 最高裁不当判決を糾弾する

反戦と生活のための表現解放行動
http://d.hatena.ne.jp/posada/

4月11日、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は、2004年2月に市民団体「立川自衛隊監視テント村」メンバー3人に対し、不当にも有罪判決を下し、罰金刑を確定させた。
逮捕前、数回にわたり自衛隊員の官舎に「イラク戦争を共に考えよう」と書いたビラを配布したことを理由に令状逮捕し自宅など6ヶ所で家宅捜索を強行し書類やパソコンなどを強奪して持ち去った。その後75日間にもわたる不当な長期勾留を強いさらには接見禁止処分までをも付した反戦運動弾圧事件の公判であった。
 私たちはこの事件の被弾圧者である当該を京都に招いて報告会を開催するなどの活動を通して、この弾圧の危険性の共有を図ってきた。資金力を持たずに政治的主張を行う者にとって、ポスティングという方法は社会に対し自分たちの訴えを広めていくための非常に重要な手段である。これが奪われてしまうということは活動の根幹を揺るがすものであり、小さな意見であっても多種多様な政治的意見が活発に主張されて初めて成立する民主主義社会の、根底が覆されてしまう大変危険な性質をもつ弾圧事件である。政府の見解とは異なる意見を発する者を長期「投獄」することによって黙らせるという、まるで戦前のファシズム社会を彷彿とさせるような事件である。
 戦争に反対するために、自衛隊イラク派兵に反対するために、ビラを作りそれをポストに投函して回るという地道な訴え方で反戦運動を続けてきた市民団体の活動が、公安警察自衛隊情報保全隊が製作した「住民による被害届」によって犯罪行為に仕立て上げられてしまった。このことに大手新聞社などマスコミ各社も行き過ぎた取り締まりによりイラク戦争の銃後と化していく国のあり方に警笛を打ち鳴らした。国際的な人権団体として知られる「アムネスティー・インターナショナル」も被告らを日本で始めて「良心の囚人」と認定し、日本政府を非難する声明を発表した。
 寿司屋やピザ屋などの各種ビラが日々各戸のポストに配布されている。一審東京地裁の判決は商業的ビラ配布に比べて政治的ビラ配布の方が保護されるべき優位性をもつという部分にまで踏み込み被告らを無罪とした。政府見解とは異なるビラだけを恣意的にとりあげて配布者を弾圧し、市民運動を萎縮させ、そうすることによってしか政権運営を出来ない今の政府には、近い日に民衆から不信任が突きつけられるであろう。そんなほころびだらけの政府をつぎはぎで補完をするために今回最高裁不当判決を下した。遠いイラク・アフガンの地で戦禍に苦しむ人々に思いを馳せ、戦争を止めるために自分たちの足元から反戦運動を作ろうとする行為は良心に満ち溢れている。そんな人々を「投獄」していく国家を臆面もなく支えている権力者は恥を知るべきだ。裁判官たちは恥を知れ!

 なぜこんなにも酷い目に遭わなければならないのか。私たちはこの弾圧に対し、そして今回の最高裁判決に対し、腹の底から怒っている。とにかく怒っている。そして強く抗議をする。こんな判決は到底認められない!
 戦争反対!直ちに自衛隊イラクから帰ってこい!

事件の概略については、下記リンク「立川・反戦ビラ弾圧事件ってなあに?」を参照ください。
http://www.geocities.jp/sacchan_mangostin/infomation/dannatu.html
リンクに、「立川・反戦ビラ弾圧救援会」を追加しました。