「パレスチナ人の家を破壊するイスラエル陸軍 'Israeli army destroys Palestinian homes'」

(昨年11月京都大学の学園祭にスピーキング・ツアーに来ていただいたファトヒ・クデイラート(Fathy Khdarat)さんから、以下の記事が転送されてきました。原文はアムネスティ・インターナショナルのウェブサイトで読むことができます。誤訳もあるかもしれません。西岸地区とガザ地区の分断はメディアでも報道されていますが、西岸地区内部においても、軍事的にヨルダン渓谷が封鎖されていく様子が明らかになっています。)

「写真キャプション:イスラエル陸軍はHadidiya村のパレスチナ人の家屋と動物小屋を破壊した。2008年2月6日」
 西岸地区におけるHumsaとHadidiyaという二つの村の全ての家の破壊が予定されている。イスラエル陸軍は、これまでこの二つの村がある、ヨルダン渓谷のほとんどの地域を、地域のパレスチナ人の居住を認めない「クローズド・ミリタリー・エリア」と表明してきた。

 イスラエルの軍隊がこの地域を占領する四十年以上前からこの地域にいたパレスチナ人をこの地から去らせようという圧力が強まっている。2月6日の朝、イスラエル陸軍のブルドーザーは、Hadidiya村の四つの家族が住む家屋、ならびにその生活手段を破壊した。30人以上の人々とその家畜が、シェルターもないままその場を去ることになった。Mohammed Ali Sheikh Bani Odeh、 Ali Sheikh Musleh Bani Odeh、Omar ‘Arif Mohammad Bisharat とMohammed Sahad Bani Odehの家族たち、そのうち20数人は子どもである。

 昨年も、この地域に住む他の数家族が同じ運命に苦しんだ。イスラエル陸軍は2007年4月には、Hadidiya住民に彼らの居住地を十日以内に退去する猶予を与えたうえで、全ての居住者をいなくさせろという命令を受けている。このことで、ほとんどの村民は、一キロメートル離れたHumsa村に移住した。四ヶ月後、その年の八月、イスラエル陸軍のブルドーザーはHumsa村の複数のテントや動物小屋を破壊し、40数人の村人の家を奪い、さらに、ヨルダン渓谷のさらに南のFasayl村では、2008年の1月3日には、イスラエル軍は12の家屋と、それ以上の動物小屋を破壊した(※強調は訳者)。

 パレスチナ人たちは生活上の基本的なニーズである水を得るために数マイルを移動せねばならない。しかしこのことすら困難になっている。イスラエルの軍事的チェックポイントと道路封鎖は、幹線道路を通じての移動を厳しく制限し、この八月には、イスラエル兵士によりトラックや水のタンクが接収されてしまったのである。村人たちはそれら生活に必須の物資を、多大な罰金を支払うことでしか取り戻すことはできなかった。これとは対照的に、イスラエル入植地は―それはあからさまに国際法に違反して建設されているのだが―その範囲を拡大し続け、入植者達は自由な移動と莫大な量の水を利用することを許されている。

 アムネスティ・インターナショナルの代表は、最近この地を訪問し、Hadidiya村とHumsa村の村人たちが水も電気もない状態で暮らすと言う、きわめて困難な状況にあることを確認した。彼らは家を建てることが許されていないため、テントや掘ったて小屋に暮らしているのだが、そうしたものすらイスラエルのブルドーザーは何の補償もせずに破壊してきたのである。村人たちは幾度か彼らの家を立て直し、この地に住もうというその決意を示してきた。しかしながら、もはやこれ以上土地を耕作することもできず、生き延びるということがますます困難となりつつある状況を目の前に突きつけられているのである。

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Enduring occupation: Palestinians under siege in the West Bank (Report, 4 June 2007)

原文:http://www.amnesty.org/en/news-and-updates/feature-stories/israeli-army-destroys-palestinian-homes-20080214
翻訳:成瀬