日本の「回転ドア」政治

イギリスの公営放送BBC特派員Chris Hoggさんによる記事。フランクな記事なんかな、と思い口語っぽく訳してみたけど。
Japan's political revolving door
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/from_our_own_correspondent/7637286.stm

前略)
僕は2006年から日本にいるが、いまの首相はこの短い在任中に四人目だ。彼らは回転ドアのごとく出たり入ったりしている。
・・・日本有限会社は電源オンだ。世界第二位の巨大経済大国なのだ。もし君が来日したら、世界中で最もよく知られている、すごいブランドだってつくりだす、豊かで近代的な社会を目の当たりにするだろう。その理由は、この国では政治家がじゃまにならないからだ、といわれた。この国は、官僚に運営されているんだという。
最初そういう主張を聞いたときには信じられなかった、そう、まだ在職中の福田康夫にインタビューをしに首相官邸にいくまでは。この手の面会のときにやっかいなのは、日本の役人たちが、首相がなにか誤りをおかさないかということに、常におびえているということだ。彼らはどんなチャンスも取り去ってしまう。
インタビューの数日前に、どんなことが話されるかについての苦痛に満ちた交渉が重ねられる。インタビューにいくと、ボスが現れるまでのあいだ、部屋を埋め尽くしたスーツの男の一団による、さらなる大騒ぎが待っている。
こうした状況で、福田氏は環境についてしゃべるよう求められた。しかし、彼らはインタビューの筋書きに福田氏が従うか心配だったので、僕の左耳のすぐ後ろで、首相にしゃべってほしいこと書いたカンペをだした。僕たちは礼儀正しく、それは不自然ですよということを指摘したが、彼らにとってはそうではなかった。・・・(中略)・・・
彼(福田)は部屋に入ってきて、椅子に座った。上機嫌にみえ、なんと英語で二言三言しゃべりすらした。しかし、おしゃべりの時間などない。側近が僕の後ろでジェスチャーをして、宣告した。「3,2,1、キュー 首相」。哀れな男はカンペを読み始めた。僕は彼にやる気を失わせないように、真面目な顔をしていなくてはいけなかった。彼がそうしているように。・・・質問をするチャンスを得たそのとき、僕の心の中に潜む、やんちゃな10代の少年が頭をもたげてきたことを告白しなくてはならない。僕はびっしりと文字で埋まった五枚の紙が首相の膝の上に置いてあることに気づいた。その用紙は僕がする質問にそれぞれ対応していた。
ーーー僕は質問を始めた。ただし予定と違った順番で。
このせいで僕たちの周りに密集するアドバイザーが大あわてで紙をくることになった。しかし、首相は、がんばった。
哀れな男は操り人形のようだ。そして彼が知性があり、かつ有能な政治家であるという明白な事実は、こうした経験をよりいっそうげんなりするものにさせるのだった。
彼の代わりは麻生太郎。今、スポットライトは彼にあたっている。で、彼について何が知りたい?初代首相の孫で、日本最初のカソリックの首相で、射撃のオリンピック選手だった、とまぁこんなものだろう。ご存じの通り、麻生氏は、早期に総選挙をする、というプレッシャーのもとにある。前評判は良くないようだ。この国の半分の人は彼を好んでいないし、彼は一週間もまだ仕事をしていない。
しかし、彼はすでにニューヨークに行って、数週間のうちにブッシュ大統領と会談する予定だ。たぶん、はやめに大事な写真を得る機会を得たのは賢明だ。長い間は彼はいないだろうから。

ああ情けなや。 成瀬